会長挨拶

 

新会長挨拶

 

慶應義塾大学 渡部 直樹

 

 このたび、菊澤研宗先生の後を受けて経営哲学学会の会長に選出されました慶應義塾大学の渡部です。宜しくお願い申し上げます。

 

 

私の専門分野


 私の研究分野は、「組織論」や「組織の経済学」の学説研究・学説史、ならびに社会科学・経営学方法論ですが、科学哲学、哲学(形而上学)にも強い興味を持っております。30年程前、私はLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス)の哲学科の大学院生として科学哲学を学ぶため留学しておりました。当時は、カール・ポパー自身はLSEに来ることはあまり無かったのですが、LSEでは、ポパー派や反ポパー派を中心に、常にホットな議論がたたかわされ、刺激的な哲学のサークルが形作られていました。この時に学んだアカデミックな素地が、私の研究の基礎となっています。そのため、経営学説ではそのメタ科学的側面にどうしても興味が行きますし、コーポレート・ガバナンス、企業理念といった重要な企業の問題についても、その哲学的状況が気になります。とはいえ、実際の企業経営のお手伝いをしてきた経験もあり、現在、大学の経営に関わっていることもあり、現実の経営の難しさも理解できます。また、経営者・組織の人たちの意欲、悩み・苦しみといった心情にもシンパシーを感じています。私なりに、これらの現象のレベル、心理のレベル、そして科学的理論のレベル、さらに理念・哲学のレベルの諸問題の関連についても研究を続けたいと考えています。

 

 

私と経営哲学学会との関わり

 研究者として30年以上過ごしてまいりましたため、多くの経営哲学学会の会員の皆様とは、長年の研究仲間であったり、顔見知りであったり、という関係にありました。しかし、経営哲学学会との直接の関わりということでは、それほど長いわけではありません。学会に入会したのは、大平元会長が「経営哲学の授業」(経営哲学学会編  PHP研究所 2011年12月)の中で書かれている第3期にちょうど入った時期となります。その点では、新参者であります。長年、経営哲学学会を支えてこられた諸先生方には、経営哲学学会の一層の発展のため、何卒、宜しくご指導賜りますようお願い申し上げます。

 

 

今後の方針

 菊澤前会長は、「アカデミックと実務の融合」という経営哲学学会の理念の実現には、何よりもアカデミックの充実が必要という方針を出されました。具体的には、第一に、学会誌『経営哲学』を充実すること、次に、若い学者に報告の場を提供し学会を活性化すること、そして、上記の活動を支えるため会員数を増加させ財政の健全化をはかること、というものでした。ご存知のように、この方針は見事成功、その成果も着々出ていると思います。私も、前会長の方針を継承し、より拡充していきたいと考えています。特に、なるべく、広く多くの方々に経営哲学学会に興味を持っていただき、学会の活動に「楽しく」参加していただくことを目指したいと思います。このことは、入会者の増加という意味もありますが、それ以上に、会員の方々が楽しく積極的に参加していただける学会の運営を目指すことであると考えます。三戸公先生、大平浩二先生といった歴代会長はそろって「楽しい学会」を目指していらっしゃいました。私もこれまでいくつかの学会に関係してまいりましたが、経営哲学学会ほど、多くの人とフランクに話をし、議論し合えるという「楽しい」場はないというのが、偽らざる感想です。それぞれの方々にとって、「楽しい学会」の「楽しさ」の意味合いは若干異なるとは存じますが、哲学(philosophy)の語源でもある、知を愛する(philos + sophia)多くの方々に積極的に参加していただけるよう努めたいと思います。

 

最近のブログ記事

2012/7/7 沖縄部会のご案内
平成24年度 経営哲学学会 沖縄部会20…
2012/7/13-14 北海道部会のご案内(★情報更新6/18)
平成24年度 経営哲学学会 北海道部会(…
第29回 全国大会のご案内(2012/9/4-5:立教大学)
開催概要場所:立教大学日時:2012年9…